受験生の皆さん、こんにちは!好きなものはアメフトと日本史と激辛グルメ、RB(ランニングバック)1年の前田陽人です。一橋大の日本史を30年分研究して社会学部に合格した僕が、2019年の予想問題を作ってみました!ぜひ考えてみてください!
予想問題
第1問
(1)地方から中央への物資流通の在り方は、律令制期(8世紀)、10世紀、院政期でそれぞれどのようなものであったか。
(2)享保期に株仲間が公認された背景は何か。また、天保期の株仲間解散政策が失敗したのはなぜか。それぞれの時期に政策を主導した人物も挙げて述べよ。
第2問
(1)ワシントン体制とはどのような国際秩序のことか。また、日本がこの国際秩序から外れることになった経緯を述べよ。
(2)日中戦争が長期化して以降、日米の関係はどのように変化したか。当時対米交渉を行った駐米大使の名前を述べたうえで、太平洋戦争開戦までの経緯を述べよ。
第3問
(1)1960年の安保闘争はどのようなものであったか。混乱の激化に連れて運動の対象が変化したことに触れながら述べよ。
(2)安保闘争ののちに組閣した内閣総理大臣の名前と、その政策の特徴を述べよ。
いかがでしたか?それでは、簡単に解説していきます!
まず第1問。2018年入試の第1問はベタな農村の問題でした。おそらく社会学部の渡辺教授という農村研究をしている教授が作った問題です。なので出題サイクルから考えて農村以外、さらに法制史・外交史も最近多く出ているので、2019年は古代~近世の流通史あたりが狙われそうだと予想しました。
・主に律令制期は調・庸として、10世紀には受領による貢納物として、院政期には各地の荘園・公領から年貢として地方から中央に運ばれました。
・享保期には米の増産や領主の年貢増徴による米の流通量の増加と、都市での消費生活の発達により米価と諸物価のバランスが悪くなったため株仲間公認によって物価調整が図られました。天保期には物価騰貴の原因を株仲間による流通独占だと考えた幕府が株仲間を解散させますが、実際の原因は新興の業者による流通構造の変化だったので、物価はさらに上がってしまいました。
続いて第2問、トランプ政権になってから、度々日米関係が話題になる今日この頃。ということでワシントン体制以降の日米関係について出題してみました。
・ワシントン体制は列強各国の植民地支配をほぼ現状維持することで東アジア・太平洋地域の安定を図るもので、日本は利権拡大を封じられた形になりましたが、満州事変という強硬な手段で支配を拡大し、国際連合からも脱退して体制から離脱しました。
・駐米大使野村吉三郎はなんとか開戦を避けるために交渉しますが、それとは裏腹に日本の軍部は次々と侵略を進め、アメリカによる日本への経済制裁も厳しくなります。そして陸軍出身の東條英機内閣に対して米政府はハル・ノートをつきつけ、これを最後通牒と見た日本は開戦に踏み切ります。
ラスト、第3問。昨年の入試では戦後以降について問われていないので、2019年の第3問は戦後の範囲からの出題になる可能性が高いです。僕は岸・池田内閣期の政治・経済が問われると予想しました。
・当初は運動は反戦・反米を掲げていましたが、岸内閣が警官隊を導入するなどして無理やり条約の可決を押し通したことで、次第に反政府・民主主義擁護の風潮が高まり、運動が拡大しました。
・岸内閣が総辞職したのちに内閣総理大臣となった池田勇人は、「寛容と忍耐」をスローガンとし、政治的混乱の収拾を図るとともに、所得倍増計画で国民の意識を政治から経済へとシフトさせることに成功しました。※池田内閣の「農業基本法」も一橋日本史で頻出なので要チェックです。
最後に
一橋の日本史は入試日本史の最高峰とも称されますが、傾向と頻出分野をしっかりと頭に入れておけば十分に戦うことができます。自分の経験から言えることは「準備したらした分だけ点が取れる」ということです。最後まで気を緩めずに頑張ってほしいです!