地方から上京してきた人がまず最初に抱える問題、それは言葉の壁。
今まで何気なく使っていた『ことば』が東京に来ると通じないということはよくあります。ここでは訛ってしまったがために失敗をした部員のエピソードを中心にご紹介していきます。
言葉の壁で大学生活のスタートを失敗させたくない人、必見です。
ち○ち○のなべ
さかのぼること3年前の話になります。
愛知県出身の近藤君は大学の友達の家でなべパーティーをしていました。上京してきて初めての冬、友達と囲むなべの味は格別です。
案の上1回だけでは足りず、2回目のなべに突入しようとしたとき事件はおきました。
近藤君がなべを持ち上げようとした際に誤って手がなべに触れてしまった、その時。
「あっつ!!このなべち○ち○すぎんだろ!!」その場が一瞬凍りつきました。
察しの良い方は感づいたと思いますが、この場合の「ち○ち○」とは「ものが非常に熱い状態」を意味する名古屋弁なのです。
この事件以降、彼のあだ名は「ち○ち○」になったとかならないとか。ちなみに、「ち○ち○」の最上級は「ち○ちこちん」と言うそうです。ご参考までに…。
「え…え、なんて??」
これは、わたし自身が実際に遭遇した話です。
地方出身の部員の多くは(わたしもその一人なのですが)年末になると地元に帰省するのですが、事件は年が明けてわたしが東京に戻ってきたその日に起こりました。
国立の駅に着き、改札を出たあたりで誰かに肩をたたかれたので振り返るとそこには田口君がいました。
田口君もちょうど、帰省先の福岡から帰ってきたばかりのようです。「おー田口!!久しぶりー」そう言った直後のことでした。
「おー近藤!!新年早々せからしかばってんしょんなかね…。つかばさらかふとっとーやん!!」と田口君がまくし立ててきます。
「え…え、なんて??」そう聞き返すと田口君が先ほどの言葉を訳してくれました。
どうやら彼はわたしとの再会を喜び、加えて正月太りした私の体形について触れたみたいです。
普段はそんなに訛りのあるしゃべり方ではない彼でも、帰省して故郷の風に触れ続けた結果このようにコミュニケーションも取りづらいほどに訛ってしまうのです。
地方出身の皆さんも帰省から帰ってきたら言葉使いにご用心。
(左から、4年WR田口悠也、4年OL近藤史崇)
土佐弁の妙
皆さんは英語に現在形と過去形、更に現在完了形、現在進行形、過去完了形、過去進行形があるのは知ってますよね。
日本語には完了形が無いとされていますが、高知の方言である土佐弁には完了形があるって知ってましたか?
例えば「雨が降る」の完了形、進行形を土佐弁でいうと「雨がふりゆう」(現在進行形)、「雨がふっちゅう」(現在完了形)、「雨がふりよった」(過去進行形)、「雨がふっちょった」(過去完了形)となるそうです。
「土佐弁はどっちかっというと英語寄りで、頭をつかうほうげんなんだよねっ!!」
今では立派な標準語話者となった高知県出身の佐竹さんはそう語ります。
興味がある人はぜひキャンパスを歩く佐竹さんに声をかけてみましょう!!
(左から、4年AS栗林直美、4年AS藤田梓、4年AS佐竹映美)
自然と方言の薄れていく学生生活
大学には様々な地方から、様々な方言をしゃべる人が集まってきます。
今までは気にならなかった方言やことばのイントネーションなどにびっくりすることや、時にはドキッとすることがあるかもしれません。
最初から標準語をしゃべろうとするもの、絶対に関西弁のまま4年間過ごすと意気込むものまで色々な人がいます。そんな彼らが意識せずにだんだん方言が薄れて、東京に染まっていく様子をみることも大学生活の醍醐味の1つなのではないのでしょうか。